ギベオン

隕石

地球外、つまり宇宙から地球上に飛来してきた石(鉱物)です。
古くから空より飛来する姿は目撃され、その神秘性ゆえ天界の石、神の石など神聖な石として崇拝、崇められてきた石です。

事実日本でも幾つかの神社では御神体にされ、イスラム教の聖地カアバ神殿の御神体も隕石だといわれています。まさに神秘的なパワーを持つ石です。


なお、隕石には大きく3つに分類されるようで
『鉄隕石(隕鉄) Iron meteorite』
『石鉄隕石 stony iron meteorite』
『石質隕石 Stone meteorite』
があるそうです。


また、特に鉄隕石(隕鉄)については、人類に多大な影響を及ぼしたといわれ人類が最初に発見した鉄は隕鉄であったという説があります。

人類でヒッタイト人が最初に製鉄の技術を持ち鉄剣を作ったと言われますがその最初の鉄は隕鉄といわれ、もしかしたらヒッタイト人と隕鉄との出合がなければ製鉄技術は大幅に遅れていたかもしれないそうです。

因みに、隕鉄製の鉄剣は実用向きではなかったようでその神秘的さもあり主に祭事に利用されていたそうです。隕鉄剣や鉄器は世界各地の遺跡からも発見されるようでツタンカーメンの王墓からもヒッタイト製だといわれる隕鉄剣が出土されたり中国やインドでも同様に隕鉄剣が見つかっているそうです。

あと、刀剣と云えばやっぱり日本ですが、日本でも隕鉄を使った刀があり近代鍛冶が作成し明治天皇に奉じた流星刀や平成に入り作成された天降劔(あふりのつるぎ) などがあるそうです。


そして、画像のブレスレットは『鉄隕石(隕鉄) Iron meteorite』になります。
その中でも『ギべオン』と呼ばれる『鉄隕石』であり、1936年にナミビア ギベオンで発見されたもので、主に鉄とニッケルから構成されています。『ウィドマンシュテッテン構造』と呼ばれる網目模様が印象的です。

この独特な網目模様は、鉄とニッケルが長い長い時間をかけてゆっくりと冷えて(100万年に1度?)固まることで生まれるとの事で人為的に再現するのは不可能だとされています。

なお、隕石が地球に飛来しギベオンが生成されたのは40億年前とされ、地球の誕生が46億年前とされますので太古より存在する魔石でもあります。しかし、実際は地球が生まれる前に存在し宇宙を漂っていた隕石だそうですのでその秘められたパワーは計り知れないものがあるのかもしれません。


あと、同じ『鉄隕石』で最近流通するようになってきたのが『ムオニナルスタ』です。
スウェーデン・ノルボッテンで発見された『鉄隕石』であり、約80万年前に飛来したと言われています。そして、飛散地域が北極圏やスエーデンの北部の人里はなれた厳しい気候の地域であり、場合によっては永久凍土や氷河からも発見されるほどですので、採取が難しく流通量は少ないと言われますが、最近は何故かよく見かけるようになりました。(^_^;)

なお、『ギベオン』と同じ『ウィドマンシュテッテン構造』を持つこともあり、見た目は『ギベオン』とほとんど見分けがつきません。また、鑑別に出しても『鉄隕石』という事は分かっても『ギベオン』か『ムオニナルスタ』の区別は出来ないようです。その為、鑑別書には『鉄隕石』とのみ記載されます。(※『ウィドマンシュテッテン構造』を持つ『鉄隕石』は他にもあり、通常の鑑別では産出地までは鑑別できません)

あとあと、通常流通している『ギベオン』や『ムオニナルスタ』等は鉄隕石である為、酸化(錆)を防ぐためにシルバーアクセサリー等に用いられるクロムメッキもしくはロジウムメッキ等が施されております。金色等も色合も流通しておりますが同じくメッキにより色が付けられたものです。

なお、『モルダバイト』等と同様に、高価な為、模造品も流通しているそうですので、余りにも価格の安価な物は注意が必要です。また、安価でなくても見た目では判断するのは難しいので国内有名機関の『鑑別書』がついているものをお勧めいたします。中国の鑑別書も見かけますが正直信用度は低いのでお勧めいたしません。(^_^;)

←もどる