ネフライト

和名:ヒスイ(軟玉)


古くから、世界中の民族が『魔法の石』『奇跡の石』と崇めてきたまさに『魔石』です。特に中国では『ヒスイ』といえば『ネフライト』の事を言い『王の玉』として珍重し五徳(仁・義・礼・智・勇)を高める力があるとされていました。

古くは武器や道具として使われ、後には装飾品にも加工されるようになりました。

災いや呪いを退け、精神力を強めて移り気を防ぐ力があると言われ生命力そのものに働きかける石なので、不調の時に身につけると効果があり悪いものを吸い取っているので、時々水や太陽での浄化が必要だそうです。また、粉末等にして薬としても使われ多くの病気の治療にも使われたそうです。


☆…由来その他…☆

『ヒスイ』には硬玉と軟玉があり、『ネフライト』は軟玉であり硬玉にくらべやわらかく、加工しやすく産出量も多いので、大小さまざまな彫刻工芸品として利用されてきました。

写真はやや暗いくすんだ緑色で、硬玉より脂ぎった質感ですが明るい緑色でうっすらとキャッツアイ効果が見る事ができるものもあります。その他にも黒色や白色や黄色などの色もあります。

語源はギリシャ語の『nephros=腎臓』から来ているようで腎臓病に効く石と言われ、石で腎臓をマッサージしたり、粉末にして飲んだりしたと言われています。中国では、「王の玉」と言い、王の遺体の耳、鼻、口などにネフライトを入れ、肉体の再生と魂の復活を祈ったそうです。

また『穏健』『正義」『知識』『勇気』『純潔』を象徴し皇室のための勲章がネフライトでつくられ、皇帝の玉座がネフライトで作られ、高貴な人々はネフライトの食器で食事をし、ネフライトの指輪は権威のシンボルでした。バビロンとシュメールでは魔法の石と考えられ、伝説では肥沃の女神イシタールがこれを帯につけていたということです。


中国では翡翠『ネフライト』に関連する色々な伝説逸話があり『封神演義』にも出てくる太公望の有名な逸話にも登場します。

周の始祖の文王を軍師になる逸話の中に…
文王訪ねてくる前に太公望が釣りをしていたら、大きな鯉が釣れたのですが…
その釣り上げた鯉の中から石板が出てくるのですがその石板には、「今からは周の時代が来るから周の為に働きなさい…」の様な事が書いてありそのあと、周王朝の始祖にある文王が訪ねてきて周の軍師になり、太公望の活躍もあり周が王朝を築く、というお話ですがその石板が翡翠『ネフライト』の石板だと言われております。

なお、ジェイド、ジェード、ジェドなどとも呼ばれることがありますが、これは2種のヒスイを総称して呼ぶ名前です。 詳しくは『Jede・ジェード』をご覧ください。

あと、鉱物的には『アンフィボール』グループであり『アクチノライト』もしくは『トレモライト』が顕微鏡サイズの繊維状の結晶が緻密に絡み合い集合したものになります。含まれている『アクチノライト』の様に『鉄』が多ければ濃い緑色に『トレモライト』の様に『マグネシウム』が多ければクリーム色から白色になります。

また、白色は『マトンファット/羊の脂肪』と呼ばれ、中国では『羊脂玉』また、中国新疆ウィグル自治区のホータン(和田)地区で採取される為『和田玉/ホータン玉』『ホータン翡翠』と呼ばれ本翡翠以上の価値の高値で取引されているようです。


肉体的な作用として…

新陳代謝を活発にして、細胞組織の再生を促し肝臓、腎臓、副腎、脾臓の病気の治療にも効果があるとされているようです。

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